今は現存しない古き良き面影の住宅復元模型です。
施主様からは、「子供の頃、よく庭を駆け回った。洋館も併設された、とても趣のある家屋だったが、管理も大変だったので残念ながら取り壊してしまった。思い出に模型にして欲しい」と、依頼されました。
模型作成のためにお借りしたものは、いろいろなアングルの写真と、青焼き図面です。
ご参考までに抜粋した写真を掲載します。
青焼き図面は、尺貫法で描かれており、かなり歴史のある建物だと分かりました。
ここでちょっと、復元模型の工程の一例を、ご紹介致します。
現存しない建物を模型にする場合、とりあえず残っている図面を基本にしますが、実際の建物と違う事はよくあることなので、写真との照合作業から始めます。
今回お借りした青焼きは、平面と立面が2面のみの申請図だった為、図面化されていない残り2面の立面図と、屋根伏せ図を、写真から新たに起こしていくという作業も加わります。
これには時間と労力を要します。
図面化の作業は、頭の中でイマジネーションをフル稼働させ、立体パズルを解くというか、組み立てていくようなものです。一通り図面が出来たところで、それが正解かどうかの検証のために、ざっくりとスタディ模型(下記掲載写真のスタディは大屋根省略)を作り、お借りしている資料写真と見比べます。
施主様にも確認して頂き、ここでようやく、本模型の製作に入ります。
また、模型としてどこまで表現するか、作り込むかは、ご予算に応じてご相談となります。
完成模型の写真をいくつか掲載します。最後に、納品時に施主の加藤嘉彦様と。